『大インフレ時代!日本株が強い』のおすすめポイント

はじめに

本日は、エミン・ユルマズ著『大インフレ時代!日本株が強い』を読んだのでご紹介します。ちなみにKindle情報では、読み終えるまでの平均的な時間は3時間21分、ページ数は168ページだそうです。

ざっくり内容紹介

本書は世界情勢と世界経済の見通し、世界経済の構造的な変化の実態、日本経済の復活シナリオ等について書かれています。なぜ日本の未来は明るいのかについても、著者独自の見解が記されおり、新たな気づきを与えてくれる書籍です。

所感

著者のエミンさんの出身国であるトルコはハイパーインフレ国で、預金金利が100%を超えた時代を経験されたそう。現在の日本では銀行預金の利子は0.001%、良くてネット銀行の0.2%とかなので、なかなか想像のできないところです。しかし、コロナショック以降、さまざまなものの値段が上がっており、インフレというものを実感するようになってきました。エミンさんは著書にて「これからはデフレではなく、インフレの時代」と説明されています。また、「インフレ時代を生き抜くためには、まずメンタルを変えないといけません。デフレ脳からインフレ脳への転換が、必要です。」とも述べられています。

エミンさんの持論として紹介されている内容のなかで、個人的に印象に残った所を軽くご紹介します。

〈アセットレス・クラスの悲劇〉

「いま流行りのサブスクリプション・サービスとは現代の"貧しさ"を逆手に取ったビジネスの代表ではないか」

昔だったらCDやDVDを買っていて、それは資産として手元に残っていました。しかしサブスクでは、契約を解除した時点で、何も残らない。何の資産も持っていない状態、すなわち「アセットレス(資産ゼロ)・クラス」と言うことができます。本書では

「あり余る資産を持っている人がいる一方で、何も持っていない人たちが大量に存在する。」

と警鐘を鳴らしています。

私自身は、サブスクは物を持たないことにメリットを感じていたので(賃貸アパートなので、置き場所に困るという理由( ̄ー ̄ )。)新たな視点で捉えることができて、新鮮に感じました。

無人化ビジネス

時間の経過とともに、高度な次元の仕事まで、人が要らなくなると思う。近未来の世界においては人手不足が問題ではなく、逆に人が余っているのが問題になってくる。

日本の未来について悲観的になってしまう理由として、日本の人口減少・少子高齢化がよく挙げられますが、本書ではそれは決して悪いことではないと述べられています。確かに、現在では色々なもの・ことが自動化・無人化してきています。コンビニやスーパーのレジも店員さんはいるけど支払い自体は自動精算機ですし、駅のキオスクも場所によっては完全に無人になっています。(コロナ禍でしばらく行っていませんでしたが、昨年末久しぶりに利用した際、完全に無人になっていて驚きました。)現段階では、まだまだ実感が湧きませんが、確かに近い将来にはそれがもっと進んでいるのでしょう。少子高齢化が問題にならないなんて、そんな発想、私には到底思いつきませんでした。本書ではこのような新たな視点・気づきを与えてくれます。

この他にも、世界情勢や経済について、とても分かりやすく解説されているので、まだ読んでいない方にはおすすめしたい一冊です。(エミンさんの解説は本当に分かりやすいので、YouTubeの「エミンチャンネル」もおすすめです。無料でこんな分かりやすい解説が聞けるなんて本当に良い時代だなと思います。本書に書かれている内容も多くの部分がそちらでも解説されていたりします。)

最後までお読みいただきありがとうございました。