『エッセンシャル思考』のおすすめポイント

はじめに

今回はグレッグ・マキューン著『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』を読んだので簡単な内容紹介と感想などを書いていきたいと思います。ちなみにKindle情報では、読み終えるまでの平均的な時間は4時間、ページ数は320ページだそうです。

ざっくり内容紹介

本書によると、エッセンシャル思考とは、本当に重要なことに焦点を当てる考え方のことです。エッセンシャル思考になるためには、「やらなくては」「どれも大事」「全部できる」という思い込みを克服しなくてはならないと著者は述べています。本書の以下の言葉がすべてを物語っていると思います。

「今、自分は正しいことに力を注いでいるか?」と絶えず問い続けるのが、エッセンシャル思考の生き方である

簡潔でわかりやすいですね(^-^)。

所感

本書は、この手の本の中でも特に読みやすく分かりやすい書籍でした。「より少なく、より良く」を謳っているエッセンシャル思考の本が難解で分かりにくかったら説得力がなくなってしまいますが、全くそんなことはないのでご安心を(^^)。簡潔でわかりやすい良書です。

ここからは、個人的に印象に残った部分を紹介していきたいと思います。

まずは、「第二章 選択」から

もしたったひとつのことしかできないとしたら、自分は今、何をやるのか?

「できる」せいで「やらなくては」が増えていくストレスを抱えていないだろうか。選ぶという行動をものにしないかぎり、エッセンシャル思考は身につかない。

自分で選択しない限り、他人のいいなりになってしまうということは心にとめておきたい事実ですよね。仕事においても、自分にできることはついつい「やらなくちゃ!」と思いがちです。でも、その考えだと、やらなくてはいけないことがどんどん増えてしまいます。同じような経験がある方も多いのではないでしょうか?本書を読むとそういった発想とは違う視点が得られると思います。

続いては「第3章 ノイズ 大多数のものは無価値である」から

困難に出会ったとき、残業を増やして根性で乗り切ろうとしていないだろうか。

…過去の自分に凄く当てはまります(−_−;)。独身で会社の近くに住んでいたときは、私はまさにこれでした。その考えを疑うことすらなかったです(汗)。でも、結婚して、子どもが産まれて、環境が変わったことで、同じように残業でさばくことができなくなって、仕事のやり方や考え方を変えざるをえなくなってきました。こういった書籍を読むと自分では思いつかない考え方を知ることができて、少しだけ視界が開けたような気持ちになりますね(^ ^)。

本当に重要なことにイエスと言うために、その他すべてにノーと言うのだ。

仕事のできる人が往々にして壁にぶつかるのは「全部やらなくては」という思考から抜け出せないためだ。

…うん。まさにこれ(−_−;)。この本を読んで、本当に重要なことは何か、意識して考えるようになりました。それと同時に「ノー」と言うことも。会社で露骨にノーとはやっぱり言えないので難しいところですが。できるだけカドが立たないように、断れるときはそうしていきたいものです。

「第4章 トレードオフ」からは、本当に重要なものごとを見極めるために必要な5つの点をご紹介したいです。

・じっくりと考える余裕

・情報を集める時間

・遊び心

・十分な睡眠

・何を選ぶかという厳密な基準

他の啓発本などでもよく書かれているのですが、やはり余裕(心の余白)と時間は絶対に必要な要素であることは認識しなければならない点ですね。

これについては、「第5章 考えるためのスペースをつくる」にも記載があります。

多数の瑣末なことのなかから少数の重要なことを見分けるためには、誰にも邪魔されない時間が不可欠だ。ただし、この忙しい世の中で、そんな余裕が自然に生まれるわけがない。あえて時間をとらなければ、誰も考える余裕など与えてくれない。

やはり、意識して自分で時間をつくらなければ、自分の望むようにはできないことが分かりますね。

「第9章 選抜」からはこちら。

絶対にイエスだと言い切れないなら、それはすなわちノーである。

非エッセンシャル思考の人はいつも、消極的な基準でものごとを選んでいる。「上司に言われたからやる」「誰かに頼まれたからやる」、あるいは「みんながやっているからやる」という基準だ。

このフレーズにはすごくインパクトを感じました。何かを選ぶにしても、判断に迷うことは多いです。そんなときは、この言葉を思い出すと決断しやすくなるのかなと思いました。エッセンシャル思考では、「これしかない」と思えることを選ぶことが重要なので、これも意識しておきたいところです。

「第11章 拒否 断固として上手に断る」では断ることの重要さと断り方が書かれています。

他人からのプレッシャーに負けず、はっきりと上手に断ることは、エッセンシャル思考の必須スキルである。と同時に、もっとも難しいスキルである。

本書はノーを言うためのスキルについてヒントを与えてくれています。ただ、どんなスキルでも、はじめはうまくいかないこと、練習するうちに、だんだん技術が身についてくることにも言及しています。試行錯誤を重ね、腕を磨いていけばいいのだと。…やっぱり何事も、魔法のように劇的に効果のある方法なんてなくて、練習が必要なんだな…と思いました。この手の書籍などではこうしたテクニックを誇大広告のように、万能で劇的な方法かのように、主張されているものもあるので、「練習が必要ですよ!時間がかかりますよ!」と説明されている書籍は、むしろ信頼できるなあと私は思ってしまいます。

「第14章 線引き」からは次の印象的な言葉をご紹介したいです。

現代は、仕事とプライベートの線引きが難しい時代である。〜中略〜

仕事は一方的にプライベートを侵食しようとしている。もしも月曜の朝に子供たちを連れて会社に遊びにきたら、おかしな気がするはずだ。それなのに土日に家や会社で仕事をすることは、ごく自然な行動のように思われている。

確かに言われてみれば凄くおかしな話に思えてきますね。(^-^)。勤務中にプライベートな電話をしたら言語道断な雰囲気があるのに、休日は容赦なく勤務先から電話がかかってくるという人も少なくないのでは?おかしな話ですね。

「第18章 本質的な行動を無意識化する」からはこちら。

非エッセンシャル思考の人は、いざとなったら本気を出そうと考えている。土壇場になってから、無理やり全力で終わらせる。

いやー耳が痛いです(−_−;)。反省、反省。

「第19章 集中 「今、何が重要か」を考える」からは

非エッセンシャル思考の人は、過去や未来に気を取られるあまり、今を生きることを忘れている。

こちらも耳が痛いような話です。ついつい(無意識化でも)過去の失敗や将来の不安ばかり考えてしまい、心ここにあらずになってしまう自分がいます。こういった本を読んで、少し意識するだけでも切り替えができるようになるので気をつけていきたいですね。

「第20章 未来 エッセンシャル思考を生きる」からは

エッセンシャル思考を生きることは、後悔なく生きることだ。本当に大切なことを見極め、そこに最大限の時間とエネルギーを注げば、後悔の入り込む余地はなくなる。自分の選択を心から誇りに思える。

おわりに

本書は簡潔で読みやすく、考え方として参考になる点が多く書かれており、おすすめです。今、自分にとって本当に重要なことは何なのか?なんとなくで日々を過ごしてしまうと、あまり考えることはないかもしれません。意識して後悔のないように生きていけたらいいですね!

最後までお読みいただきありがとうございました。