『ロングゲーム』のおすすめポイント

はじめに

今回は、ドリー・クラーク著『ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために』を読んだので簡単な内容紹介と感想などを書いていきたいと思います。ちなみにKindle情報では、読み終えるまでの平均的な時間は5時間36分、ページ数は280ページです。

ざっくり内容紹介

本書は人生を「長いゲーム」と捉え、日々の忙しさの中、自分の望む生き方をするにはどうしたらいいかについて書かれています。ロングゲームをプレイするには長期的な視野で考えることの重要性を繰り返し述べられています。それらについて、著者自身のほか、色んな人のエピソードをまじえ、紹介していくスタイルとなっています。

所感

本書は、自分の人生において何を優先させるべきか、そのためにはどのような考え方で向き合うべきか について考えさせてくれる良書でした。以下、個人的に印象に残った点を引用にてご紹介したいと思います。

まずはこちら。

忍耐や努力が簡単にできることだったら、すべての人がやっているだろう。あなたは、「結果がまったく保証されていない状況で、それでも、努力する意志はあるのか」という問いを突き付けられている。

たとえ結果が保証されていなくても、自分がそこに時間と労力を注いでもいいと思えることを選ばなければ続けられないですよね。本書では、何を選ぶかは自分で決めなければならず、すべてをやろうとすると、すべてが中途半端になると述べています。また、「自分はこれに賭ける」と決めて、行動を起こし、待つことが重要なのだと。私も「自分はこれに賭ける」と思えることを見つけていきたいです。


続いては、パート1  「余白」から

すでに満杯になっているコップに、それ以上、液体を注ぐことはできない。それはつまり、自分の時間とエネルギーを賢く使いたいなら、ある程度の余白が必要だということだ。

誰しも日々のタスクは常に満杯状態です。何か新しいものを入れるには、無理矢理にでもコップの中を空けなければいけません。満杯のコップを空けるということは、コップの外に出すものを決めるということ(=何を残すかの選択とも言えます)。自分にとって本当に重要なことは何なのか常に考えたいきたいです。

 

第1章では次のような印象的なフレーズも出てきます。

一番大事なことはTo Doリスト的な思考を捨てることだ。To Doリストをつくると、どうしてもあとからどんどん足していくことになってしまう。それではいつまでたっても終わらなくて当然だ。

私もかつてはTo Doリストをよく作っていました。仕事で色んな人から様々な依頼が来た時、どんどんリストの中身が増えていきます。もの凄く頑張って処理しても、リストから消えていく数より追加される数の方が常に多いのです。そうしていると、リストに残ったやることの数を見て絶望的な気持ちになってきて、最終的には疲れてしまいます。To Doリストは有益な部分もありますが、「終わらない」という事実を無情にも私に突きつけてくれました。そんな経験もあったからか、本書のこのフレーズを読んだとき、もの凄く納得してしまいました。

第2章では、パーキンソンの法則というものも紹介されており、そちらもなるほどと思ってしまいます。

パーキンソンの法則:

「人は使える時間のすべてを使って仕事を完成させる」

確かに、会社の仕事で「今日は残業できない」という日は必死になって時間内に終わらせようとしますが、残業を前提に考えていると、「まあいいや、これは後で残業時間にやろう」と思ってしまうこともあります。私の職場は比較的残業する人が多いのですが、ダラダラやっているだけなのでは…?と思ってしまうことも…。まあ、人のことは言えないんですけども(−_−;)。小学生の夏休みの宿題も同じですよね。休みは1ヶ月くらいあるけど、最後の数日にならないとやらなかったり。大人も同じで、締め切りが迫ってこないと取り掛からなかったり…。

パート2  「集中」第3章からはこちら。

好奇心を刺激されることや、もっと学んでみたい分野があっても、今すぐ仕事を辞め、それに没頭することはできないかもしれない。しかし、時間をかけて、小さな戦略的ステップを積み重ねることならできる。

時間はかかるけど、少しづつ積み重ねていくことが大事なんですね。

第4章では、グーグルの「20%ルール」(=新しい挑戦に20%の時間を使う) が紹介されており参考になります。

忙しいスケジュールの中から20%の時間を見つけるのは至難の業だ。自分の努力で捻り出さなければならない。〜中略〜私達の中には、何かがうまくいかなくなってはじめて新しいことに挑戦しようとする人もいる。だが、それは間違ったタイミングだ。しかも遅すぎる。チャンスの芽を育てるには時間が必要だ。自分が強いときにやる。弱っている時にやってはいけない。

何かがうまくいかなくなってからではタイミングとして遅すぎるというのは心に留めておきたい注意点ですね。

第6章からは以下の印象的な言葉をご紹介します。

長期の成功のために必要なものは、現時点では持っていない

この言葉からは長期にわたる努力が必要不可欠であることが伺えます。一方で、現時点では何も持っていなくても、これからの努力によって成功に向け進んでいけるとも捉えられます。そう考えると挑戦する勇気が湧いてくるような気持ちになれました。

パート3  第9章では

やりたいことがあるなら、「開始日」を決める。〜中略〜

カレンダーに予定を書き込まなければ、それを実行することは絶対にない。やらなければいけないことは次から次へとやってくる。だから開始日を決めていない人は、そのたびに夢を先延ばしにすることになるのだ

おわりに

本書を読んで、意識していきたいポイントとしては、次の点が大事だと思いました。

  • 心とスケジュールに余白を設ける
  • 長期的に考える

本を読んで理解した気になっていても、実行に移すのはなかなか難しいところですよね。それでも、ときおり思い出して自分に言い聞かせていきたいと思いました。


最後までお読みいただきありがとうございました。