『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』のおすすめポイント

はじめに

今回は石角完爾著『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』を読んだので、簡単な内容紹介と感想などを記していきたいと思います。ちなみに、Kindle情報だと読み終えるまでの平均的な時間は3時間18分、ページ数は270ページです。

ざっくり内容紹介

タルムードとは、

ユダヤ人は物事には何にでもリスクがあると考え、どんな災難や危機も「人生には起こり得ること」として備えるそうです。ユダヤ人はヘブライ聖書とタルムードを読み、こうした考え方を身につけていくそうです。本書にはそのタルムードに書かれている説話が紹介されており、人生における困難に対処するための知恵を授けてくれる内容となっています。

所感

本書には数多くの説話が紹介されていますが、その中で個人的に一番おすすめしたいのが「青年アダムスの疑問」という説話です。

昔、ある所にアダムスという青年が住んでいました。彼はユダヤ教の勉強をしていたが、自分では解決できない疑問が一つありました。それは、「なぜ神は良い人に不幸を与え、悪い人に幸せを与えるのか?」というものでした。


その後、青年アダムスは預言者エリジャと出会い、旅に同行するのですが、その旅でエリジャは、不親切なお金持ちには優しく、親切な貧しい人には冷たい対応をします。一体なぜエリジャはそんなことをしたのか…?

 

この説話は「神の視点で物事を考えよ  人間の及びもつかない見方で見よ」という考えを示しており、何か困難が起きたとき、自分の不幸を嘆く前に「ひょっとすると神はこう考えて自分に試練を課したのかもしれない」「この出来事には違う答えがあるのかもしれない」という視点で考えることの重要性を教えてくれます。
物事にはいろんな側面があり、不幸と幸福は常にセットになっており、それが形を変えて降り注いでくる。幸運と思ったことが、実は失敗の元になっているかもしれず、逆にピンチがチャンスの兆しかもしれません。著者は「自分自身を一度突き放して、神という人間を超越した第三者の目で考えると、不思議と前向きに物事を受け止められるようになる。」と述べています。

実際、私も仕事で理不尽な思いをしたときに、この考え方を意識するようになりました。以前は「なんで自分がこんな目に…」と嘆いて、暗い気持ちになることが多かったのですが、そういう考えだとなかなか前向きに取り組むことはできません。前向きに取り組まないことは当然成果なんてあがるわけもなく、モチベーションが下がる一方です。そんなとき、「もしかしたら、自分に課せられた意味があるのかもしれない」「この状況よりもよくないことが起こり得たのかもしれない」と考えると、意外と感情の波が落ち着いたりします。もちろん、それで前向きになれるとは限りませんが、イヤな感情が薄れるのは事実としてあると思います。

 

また、この説話の解説部分で著者は次のようにも述べられており、とても印象に残りました。

ユダヤ人で「どうせ何をやっても」と、人生を投げやりに考える人間はほとんどいないだろう。今ある命を大切にし、その命を価値あるものにしようと、人生と格闘する。


『人生と格闘する』 なんか良い言葉ですね、現代の便利な世の中、ただ日々を過ごしているだけでは、仕事やら何やらに流されてしまって、そういった意識にならないものです。自分も格闘していかないと、流されてあっという間に歳をとってしまうなと思いました。

 

本書は最後のまとめとして、「幸福感を感じるための実行集」も紹介されています。
そのうちの一部をご紹介すると
・人をほめること
・自分がなぜ生まれてきたかを考えること
・不運が襲って来ても、絶対にあきらめずにバトルし続けること

このような内容がまとめられたおり、内容の振り返りにも役立ちます。


全体を通して、子どもに読み聞かせて一緒に考えたい逸話が多く掲載されています。私は模範回答を求めがちなので、子どもの答えに対して、さらに「どうして?」「他には?」など深く考えることを促せるか全く自信はありません(汗)。その辺も含め、親子共に考えて成長していきたいなあと思った次第です。それでは本日はこれまで。お読み頂きありがとうございました!